ヘマンジオルシロップ(プロプラノロール)による、
乳児血管腫(いちご状血管腫)の内服治療

ヘマンジオルシロップとは、プロプラノロールを主成分とした、乳児血管腫(いちご状血管腫)に有効的な内服薬です。
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ヘマンジオルシロップ(プロプラノロール)とは

乳児血管腫(いちご状血管腫)治療に用いるプロプラノロールは、本邦ではシロップ剤(ヘマンジオルシロップ)として発売されており、「血管腫・脈管奇形・血管奇形・リンパ管奇形・リンパ管腫症診療ガイドライン 2022」でも推奨度の最も高い治療法とされています。
プロプラノロールは、元々は高血圧症の治療に用いられるお薬です。小児への応用は乳児血管腫を合併した先天性心疾患の赤ちゃんに、プロプラノロールを使用していたところ、乳児血管腫の増大を抑えられたという偶然の発見から始まりました。

ヘマンジオルシロップによる内服治療が必要なケース

乳児血管腫(いちご状血管腫)が生命や機能の維持に影響を及ぼす可能性がある部位に局在する場合や、顔面に広範囲に存在し整容面での影響を及ぼす可能性が高い場合は、第一選択となる治療法です。
乳児血管腫が大きくなっている時期にプロプラノロールを内服させると、増大の度合いを抑えることができるとされています。月齢が小さいうちに治療を開始した方が治療効果が高く、生後12~15か月まで内服を継続すると、乳児血管腫の再増大が抑えられやすいとされています。

赤あざ

治療の流れ

❶ カウンセリング
医師の診察の結果、必要性が判断された場合、入院での内服治療を開始します。プロプラノロール内服の副作用として血圧低下、徐脈、睡眠障害、低血糖、高血糖、呼吸器症状などがあるため、入院での内服治療を開始する医療機関がほとんどです。
❷ 経過観察
❶のような副作用がないことを確認しつつ、少しずつ内服量を増やしていきます。維持量の内服量に到達し、副作用がなければ退院となり、ご自宅での内服加療を開始します。
❸ 自宅での内服加療
ご自宅での最大のリスクは低血糖なので、ミルクや離乳食の最中、または直後に規定量のヘマンジオルシロップを内服させます。乳児血管腫(いちご状血管腫)の増大具合を確認しつつ、生後12~15か月ごろまで内服を継続します。
プロプラノロール内服治療に合わせて、色素レーザー照射を乳児血管腫に行うと、内服・レーザー治療ともに治療期間を短縮できる可能性が示唆されています。レーザー治療が可能な局面型、腫瘤型の乳児血管腫に対してはプロプラノロール内服治療とレーザー治療を併用することもあります。

治療後の経過

主に乳児血管腫(いちご状血管腫)が大きくなっている時に内服治療を行うので、内服中も乳児血管腫は大きくなります。血管腫の表面にキズができて血が出ることもあります。万が一、出血した場合はガーゼなどを当てて、約5分間圧迫すると、ほとんどの場合止血することができます。それでも出血が止まらない場合はクリニックにご連絡ください。

❶ 内服開始から1~2ヶ月
内服開始から1~2か月は2週間ごと、2~3か月以降は4週間ごとに外来を受診していただき、服薬時の注意点を繰り返しお伝えいたします。最も懸念される合併症は低血糖なので、低血糖症状(起床時に元気がない、眠そうにしている、いつもより遅くまで寝ている、顔面が蒼白い、手足が震えているなど)の特徴をお伝えしたり、服薬の間隔や食事の回数・量の確認や内服をお休みするべき症状(37.5度以上の発熱、咳、鼻詰まり、食事・哺乳量の低下、下痢、嘔吐など)をお伝えいたします。
❷ 内服開始から6ヶ月
内服治療開始から24週(約6ヶ月)の時点で、治療効果の判定や乳児血管腫(いちご状血管腫)の状態を考慮しつつ、治療を継続または終了を検討します。治療終了後も定期的に外来受診を行い、再増大や残存病変の有無について診察を行います。残存病変(毛細血管拡張など)については必要に応じてレーザー治療を行います。

アフターケアと注意点

プロプラノロールの内服は食事中または食直後に行いますが、薬剤を吐き出してしまった、嫌がって内服しなかったなどの場合は、追加で内服をしないでください。内服し忘れてしまった場合も追加の内服や、次の内服に合わせて内服はさせずに、内服できなかった分はスキップさせてください。風邪などを引いて具合が悪い時、遊び疲れて寝てしまい食事量が普段より少ないまたは食べなかった時などもプロプラノロール内服をスキップさせてください。
これらの対応は注意すべき合併症である「低血糖」を避けるために必ずお守りください。低血糖症状を避けつつ、安全に内服を行うために食事量・哺乳量と時間・回数がわかるように日々の記録を付けていただくようお願い申し上げます。万が一低血糖症状(起床時に元気がない、眠そうにしている、いつもより遅くまで寝ている、顔面が蒼白い、手足が震えているなど)を認めた場合は、近隣の小児科救急病院にご相談ください。受診の際にはおくすり手帳など内服薬がわかるような書類をお持ちください。
プロプラノロール内服には専用のシリンジ(注射器)が必要になります。こちらは繰り返し使用するのでお薬の説明書を確認していただき、清潔に管理していただくようお願いいたします。目盛りが不鮮明になるなどの場合は代わりのシリンジをお渡しできるよう手配いたしますので、早めにクリニックにご連絡ください。

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